美容師のキャリアを生かせない

その転職が成功したか失敗したかを判断する分岐点として、前職の経験や技術を生かして、さらなるキャリアアップをすることが出来たかどうか、ということがよく言われます。

つまり、それまでのキャリアを何らかの形で生かすことが出来た転職は、結果として成功であり、逆に生かすことが出来なければ失敗ということでしょう。

これはもちろん、その転職がまったく異業種へのものであれば当てはまらないように感じます。全てを捨てて、一からはじめようとする転職者が、今までのキャリアを生かせないのは当然だから、というわけです。
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例えば、今まで美容師の仕事をしていた人間がITの会社に勤めようとした場合、それまでのキャリアというものは全くと言っていいほど活かすことはできません。また逆もしかりです。大型の運転手が美容室で働こうと思ったらそれまでの運転技術はどこにも評価されません。

「潰しが効かない職種」なんてことも言われるように、扱う商品や分野の特殊性が高く、そこで得た情報、知識、技術に関して、その業界では非常に有用であることであっても、ひとたび他の業界に持ち込んでみると、全く機能しないということはよくある状況です。

そしてこの「潰しが効かない」は、何も職種に限ったことでは無いのです。仮に同じ業種同士であったとしても、そこにはそれぞれの企業が持つ独自のルールや習慣というものがあります。さらに言えば同じ会社内であったとしても、やはり部署同士でそういった違いはあることでしょう。今まで有効だった手段や知識、方法論が、一歩違う世界において全く意味を成さないということは、マクロでもミクロでも同様に起きうることなのです。
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つまり「これまでのこと」が「これからのこと」で生かされないのは、ある程度仕方ないことであり、考えなければいけないのは、そもそも「生かされるキャリア」というものは無いが「キャリアを生かす能力」はあるということです。

実際、全くの畑違いの職種であっても、知識や経験を応用している人もいれば、同業他社に転職しても、なかなかそれまでのキャリアを生かせない人がいます。つまりそのキャリアを生かすも殺すもその人しだいであり、知識、経験、技術、人脈などは単なる道具であって、使う人次第では有効な武器にもなれば単なるお荷物にもなってしまうということです。

そこに血のにじむような努力があろうと、なんとなく自然に身に付いたものであろうと、キャリア自体には何の関係もありません。真に有効なキャリアとは、それら個人の持つ「財産」を如何に応用していくか、いうなれば「使い回しのテクニックと思考そのもの」のことであり、それは日頃仕事をする中で、自分の技術や知識を掘り下げ、試行錯誤を繰り返すことで身に付くものなのです。