横フィルホームページ特別企画

 今回の指揮者である岩村力氏に、ホームページ特別企画としてインタビューを お願いしたところ、快く引き受けて下さいました!
 今回の演奏曲目である、ドヴォルザーク/交響曲第7番や、岩村氏が得意とする イタリア音楽についてお話を伺いました。


Q.
 今回のメイン(ドヴォルザーク「交響曲第7番」)はあまり知名度がないと思うのですが、 聴き所はどういった所でしょうか?

A.
 ドヴォルザークの7番は、8番・9番(新世界)などの有名な曲に比べて演奏される頻度が少ないのですが、 その中で、ブラームスの傾向が残っている、和音の手法が少し残っているなどがあるのですけれど、 いずれにせよ頻度が少ない中で、人の心を内面的にとても捉える、得も言われぬ魅力があるシンフォニーである 思います。普段聞いているような、新世界(9番)や8番に比べて何が違うか、何が内面的に更に訴えるものが あるかというのを、ひとつ聴いて頂きたいと思います。

 1楽章は6拍子系統のリズムの中で演奏の技術的にも大変な部分があります。技術的には、 そういった所を果敢にトライしている横浜フィルハーモニーの姿が、くっきりと見えてくると 良いのではないかと思います。

 また、ドヴォルザークがこのシンフォニーをどう考えたか、音楽史的な事はともかくとして、 moll(短調)で始まって、曲のフィナーレの最後の最後にdur(長調)に変換する所があるのですが、 基本的にはmollが支配しており、寂しげな和音がこの曲を支配しています。 その中での厳しさ、リズムの厳しさ・和声の厳しさ、そういったものを8番・9番には持っていない ひとつの色として楽しんでも頂きたいし、この曲を知る上でひとつのキーポイントとして 聴いて頂きたいと思います。

 それから、2楽章あたりは非常に平和なフレーズも出てきますし、そこは横浜フィルの管楽器や 個人の、ひとつひとつの技量の見せ所でもありますし、またひとつの聴き所だと思います。 3楽章の踊りのリズム、これもまた全く違うスケルツォ(scherzo)であり、イタリア語で言う スケルツァーレ(scherzare:遊ぶ)、プレイ(play)という意味そのものの踊りになると思うので、大事な 表現ですね。3楽章は短くてあっという間に終わってしまうけれど、最後までスケルツァーレ できるかどうかといった所も見せどころだと思います。


Q.
 イタリア音楽全般は日本のアマチュアオーケストラでは取り上げられることは少ないと 思うのですが、(岩村氏はイタリアでも活躍されているため)今回の泥棒かささぎといったような、 イタリア音楽を取り上げられる事が多いのではないでしょうか?

A.
 イタリアものをやる時は、組曲などよりは序曲が多いです。 オペラの序曲ということもあって、(曲の構成としては)例えば単純に序奏部があって、主題があり、ニ段構えになっている事も ありますし、さらにpiu mosso(今までより速く)のように付け足されることもあります。

 場面場面の大きな違いや、緊迫感などは、ただaccelerando(次第にテンポを速めて)していくのではなく、ワーッとめがけて、 バン!と終わってそこで幕がピュンと勢いで上がっていくという、そこまで考えなくてはいけない。 スコアの最後のページの先に、緞帳(どんちょう)アップというページがあってですね、 それで、序曲というのは成り立つわけで、そういうイタリアオペラ独特の最初の 雰囲気を醸し出すようなものがどの序曲にもありますね。

 そういうのが出ればと思いますし、技術的には、なかなか出ないのですが、 モーツァルトとは違った意味の軽さの部分が、色合いとしてロッシーニなどは非常に要求されます。 ヴェルディになると、もう少しシンフォニックな所が出てきますから、同じイタリアでも またちょっと違うと思うのですが。 ロッシーニに関しては、軽さとシャープ、ピュアな、弓使いにしてもそういった所がとても必要だと思います。

2002.5.11 かながわアートホールにて