YPO 私と横フィル(22)

いつの間にか楽しみに
A.K(Fg)

 この原稿依頼がきたとき、「困ったな」というのが本音でした。横フィルで良い演奏を!と燃えているとか、横フィルが人生を変えたとか・・・そういった「書くネタ」がまったくないのです。まあ、ごく普通のアマオケ団員?の「私と横フィル」だと思って読んでいただければと思います。学生時代よりオケでファゴットを吹き始め、卒業後は母校の演奏会の手伝いに行ったり、先輩の誘いで見学だけのつもりで行ったオケに、知らぬ間に入団させられていたり・・・としばらくは社会人になっても演奏する機会に恵まれていました、なのに、だんだんクラシック音楽というものが堅苦しいものに感じられてきたため、オケからも楽器からも離れてしまいました。ただ実際離れてみると、部屋の片隅に置かれた楽器ケースを見るたびに、機会があればまたオケで演奏してみたいと思うようになってきたのです。
  そんな思いが通じたのか、いつもは読みもしない(ごめんなさい)市の広報で、二つのオケがファゴットを募集しているのを偶然見つけ、たまたま先に載っていた横フィルの連絡先に電話をして見学に行き、運良く断られずに入団・・・と再びオケで演奏する機会を得ることができたのです。(もし横フィルが後に掲載されていたら、この場にはいなかったかもしれませんね)。
 念願かなって再びオケに参加できるようになったのですが、現実は平日に練習することはまず不可能、週一の練習に行く時間を捻出するのがやっとという生活の中で、できない箇所をさらう時間もなく、問題を数多く残したまま演奏会本番がきてしまうことの繰り返し。自分の下手さに呆れ、もうやめたほうがいいのでは?と思う日々でした。そんな中、横フィル関係の友人が増えるにしたがい、練習に行くこと自体が楽しみになってきました。そうなると気持ちに余裕が出てきたせいか、”指導してくださる方々や一緒に演奏しているメンバーから学べることはたくさんあるのだから、少しずつできないことをクリアしていけばいいのでは?”と思えるようになり、やめたい気持ちは自然と消えてしまいました。
 それからだいぶ経ち、今日は横フィルに入ってから20回目の演奏会です。相変わらずできないところばかりで、演奏面ではあまり進歩していないかもしれません。ただ、演奏を楽しむことに関しては、横フィルのおかげで進歩したのではないかと思っています。

(第53回定期演奏会 パンフレットより)
閉じる