YPO 私と横フィル(23)

出会い〜音楽と横フィルと〜
T.S(Vn.)

 大学オケ時代の先輩に声をかけられ横フィルに入団したのは3年半前のこと。
  もうそんなに経つのかと思うと同時に、まだ3年半しか経っていないのかと、我ながら横フィルへの没頭振りに驚いていますが、そもそも音楽との出会い、そして横フィルに入団するまでの道のりを振り返った時、横フィルとの巡り合わせには何か運命的なものを感じます。

 自分が音楽に出会いヴァイオリンを始めたのは15歳の時。
 当時大人気だったファミコンゲームの音楽をN響が演奏したものが発売され(当時はテープ!だった)、弦楽器で演奏されたお城の音楽のあまりもの美しさに感動して自分で弾きたいと思ったのがきっかけでした。私の親はクラシック音楽とは無縁で、ましてや長崎の片田舎でヴァイオリンなんてどこに行ったら売っているのかも分からない状況で、最初に手にしたのは満を辞してお年玉を叩き、通信販売で買った「サンキュッパ」(39,800円)のヴァイオリン。ヴァイオリンという楽器との衝撃的な出会いの瞬間でした。
 初めは弓に松ヤニを塗ることすら分からず、スカスカの音で教則本に書かれてある活字の解説を頼りに「さくらさくら」を弾いていました(笑)。それからというもの、3年間高校のオケで音楽に没頭し、卒業するころには音楽とヴァイオリンは私にとってなくてはならない存在になっていたと思います。

 高校卒業後アメリカ留学等、3年程回り道をして晴れてO大に入学し、オケに入部したのですが、今思えばここでのちに横フィル入団のきっかけとなるK先輩&I先輩に出会ったことが運命的であったと思います。大学卒業後に就職で東京に出てきて、たまたま横浜の演奏会で先輩夫妻にばったり出くわし、横フィルに誘って頂かなかったら今頃私はきっと別のオケで演奏していたことでしょう。
 そんなことで音楽を始め、色々な回り道を経て横フィルに出会ったのですが、オケで演奏するのが好きとはいえ、ここまで横フィルに熱意を注ぎ込めているのは、一緒に楽器を弾いている仲間のお陰だと思っています。

  アマチュアオーケストラの醍醐味は、絶対にプロには勝てない「技術」という壁をどのようにして乗り越え、それに匹敵するもしくはそれをしのぐ演奏をするかに「挑戦」するところにあります。もちろん日々の練習は技術的な部分を個人レベル、そして大人数でアンサンブルするというオケレベルにおいてどう高めていくかに尽きるのですが、最終的に重要なのは、音楽への愛情と熱意、本番にかける意気込みだと私は信じています。
 横フィルで弾いていてすばらしいと思うのが、みんないい演奏をしたいというものすごい熱意と意気込みに溢れていることです。また、横フィルは当然のことながらアマチュアオケで、メンバーはそれぞれに仕事や家事、育児で毎日奔走しています。
 平日はそれぞれの世界でそれぞれに暮らしている人達が毎週土曜日に一同に会し、一つのスコア上にかかれた楽譜を演奏し、一人一人が横フィルサウンドを作っているということ自体がすばらしいことなのですが、日々の仕事以外にも時間を割いて横フィル内部の仕事をこなし、よく練習し、熱心に音楽とオケに向き合っているメンバーの姿に本当に感心しています。こういう仲間と一緒に演奏ができることに感謝していますし、私が15年前に音楽を始めてから今に至るまでの時間は、このすばらしい仲間に出会うためにあったと言っても過言ではないと思っています。

  この54回定期演奏会からコンサートマスターという大役を任せ頂くことになりました。 大好きな横フィルがさらにすばらしいオケになるように、全力を尽くしていきたいと思います。
  本日の演奏、是非楽しんで頂ければ幸いです。

(第54回定期演奏会 パンフレットより)
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